【短編】『彼』はウソをつかない。






と、何やら保健の先生が近づいてくる。



「ちょっと、大声出しちゃダメでしょ?それに早退するなんて嘘ついて…。どういうつもり?」



ああ、めんどくさいおばさんだな。



そんなちっさいこと気にしてんの。



「鞄持ってきてくれた子は、すぐに帰すからね。もう授業も始まるし」



「えっ!?」



それはダメだ!



そんなことされたらカナが危険な目に合う。



それだけは阻止しないと…。



仕方ない。アレを使うか。



「…先生、許してください。…私、寂しいんです」



「……寂しい?」



目は伏せて。



切なく悲しい表情をして。



極めつけは、この言葉。