俺らはホテルを出て、サン・マルコ広場へと。
世界一美しいと称されるサン・マルコ広場。
夕日に染められ……
幻想的な光景が広がっていた。
杏花に視線を移すと、
うっとりとした表情で俺に寄りかかっている。
俺は杏花を抱き寄せ、沈む夕日を静かに眺めていた。
♪ ♩ ♪ ♫ ♪ ♩ ♪
何処からか流れるような音色が耳に届く。
俺は辺りを見まわすと、少し離れた外灯の下で
バイオリンを弾いている紳士が1人。
俺らに笑顔を向け、美しい曲を奏でてくれた。
きっと、俺らに贈ってくれたものだろう。
景色だけでも美しいのに
思わぬサプライズで心から幸せを感じられる
旅行のスタートとなった。



