「要さん、杏花のこと宜しくお願いします」

「娘を…どうか幸せにしてやってくれ。宜しく頼むよ」


目頭を熱くした杏花の両親。

俺に頭を下げ、そして…優しく微笑む。


「はい、勿論です」


俺は再び深々とお辞儀をした。

周りからは“おめでとう”の声。

俺は漸く笑顔になれた。

杏花は涙目で手を強く握っている。



暫く皆と話をしてから

俺は着替えて仕事へと戻った。



モール内を歩いていると、

来場のお客様から

“ おめでとう ”

と温かい言葉を沢山戴いた。