土曜日の朝7時。


俺はまだ寝ている杏花を自宅に残して、婚姻届を手に区役所へ。


「おめでとうございます。本日付で滞りなく受理致しました」


無事、夫婦となった。


結婚って、こんなにも呆気無くて良いんだろうか?


まぁ、大恋愛の末…結婚ってのを期待していたワケじゃない。


元々、政略結婚でどんな女か分からない奴と結婚すると思ってたし。


だから……


容姿は勿論の事、彼女の性格的な所にも惹かれて、


そんな彼女につい賭けてみたくなったのかも知れない。


あのレセプションの日の一瞬で彼女の全てが分かるワケじゃ無いが…。


それでも、自分にとってコレは最後のチャンスなように思えてならない。


だって未だかつて1人も居なかった。


俺が寝るベッドに潜り込んで来なかった女は……。


まぁ、彼女にとって俺は“仕方なく結婚した相手”なのかも知れないが。