すると、 杏花は思い出したのか、啜り泣きを始めた。 俺は何て声を掛けて良いのか分からない。 聞きたいことは山ほどある。 しかし、今のこの状況で 彼女に聞く事は勿論出来ない。 いや、たとえ杏花が落ち着いていたとしても、 俺から聞く事なんて出来るのだろうか? それに、杏花だって… 俺に事の次第を話せるのだろうか? 今はただ、 何も触れないのが一番な気がする。 俺に出来る事なんてたかが知れてる。 こうして、杏花が安心出来るように ずっと傍にいてやる事。 ただ………それだけ……。