「要!!良い所に来たわ。杏花さんを部屋へ運んで頂戴」 「あぁ」 俺は杏花を抱きかかえ、 本宅内の俺の部屋へ杏花を運んだ。 俺の部屋は3階の南東端。 昼間なら日当たりが良い部屋。 杏花をベッドに寝かせ、俺は一旦、部屋を出た。 「杏花さんは多分、緊張の糸が切れて気を失ってるだけよ」 「それにしたって……」 「今はゆっくり寝かせてあげましょう」 「……わかった」 「起きたら、声を掛けて?何か作らせるわ」 「ん」 会長夫人は1階へ下りて行った。