「分かった、気をつけるよ」 「わしの方も詳しく調べておく」 「お爺ちゃんも気をつけて?」 「あぁ。要もな?」 俺は本宅をあとにした。 やっぱり、会長は俺を気にかけてくれている。 周りの目があるから、露骨に贔屓は出来ないが。 ―――――それでも俺は嬉しい。 もし親父が生きてたら、会長も安心して生活出来たろうに。 俺はそんなことをいつも考えてしまう。