「あの……奥様。社長は奥様をとても大事にしていらっしゃいます。しかし、今回のプロジェクトには工藤物産の協力がどうしても欠かせないんです」

「………」

「社長も仕方なく……ご理解下さい」


沢田さんはそう言うと、深々お辞儀をしてドアを閉めた。


―――――何??

今の……話…………。


胸の奥のモヤモヤが益々大きくなり、どんどん濃くなっていく。

どす黒いほどに……。


胸のモヤモヤは私の身体を埋め尽くすかの如く…

いつの間にか私1人きりで、

真っ暗な闇の中を彷徨っているかのように…

自分が闇の奥深くへに埋もれていく…

―――――――そんな気がした。