やっぱり…さっきの事が気になる。
怖い想いをした杏花を
大事にする事くらいしか俺には出来ない。
ついさっきまであんなに震えていたし、
身体に力が入らなかったくらいだから。
俺は杏花の唇を貪りたい衝動をグッと堪えて、
チュッと軽く吸って、唇を離した。
すると、
目を閉じている杏花は、
そのまま目を閉じたまま寄り添って来た。
俺の胸に手をついて、じっと無言で目を瞑る彼女。
俺は優しく抱きしめ、彼女のぬくもりを感じていた。
杏花は無意識なのか…?
俺の胸で微かに笑顔を見せた。
俺はさらにギュッと抱きしめる。
さっきの出来事は夢だったと思わせたくて。
俺の腕の中だけは何もかも忘れさせてやりたくて…。
けれど、抱きしめる杏花から甘い香りが漂い、
俺は理性を失いかける。
我慢だ……俺。
キスをしたんだ……我慢しろ?



