さて、ダーリンのいるコテージに帰りますかぁ?
ホテルを出て、コテージへと歩き始めると…。
ピリリリリリリッ。
突然、携帯が鳴り出した。
着信画面は“お父さん”
「もしもし?」
「杏花、今日が約束の日だが?」
「何?私、ホテル辞めたから」
「おっ、そうか。やっと、倉木と結婚する気になったか…」
「まさか!そんなの死んでも嫌よ!!」
倉木というのはお父さんの1番弟子で、私と結婚させようとしてる人。
「じゃあ、約束は守れてるんだろうな?」
「もちろん!!」
「杏花、約束の内容を忘れてるんじゃないよな?」
「だから、お父さんが認めるような一流企業に就職したよ!?」
「何処に?」
父親は私が再就職した事を知らない。
一条に就職してまだ数日。
さて、何て言おうかな?
父親は私が一流企業に就職出来ないと決めつけている。
そして、念願の夢……弟子との結婚を、
今か今かと指折り数えているだろう。
例え就職出来無かったとしても、
倉木さんとの結婚は死んでもムリ!!
私の処女を…あの……デブハゲ親父にはあげれない。
それだけは絶対に……。



