私は空バスケット(昼食用)をフロントに返しに向かった。
要とは部屋で合流する事になっていて…。
私は歩きながら部屋に帰ったら、
また甘い時間が待っているのかしら?
……そんな想いを抱きながら。
本当は飛行機もクルーザーも一条所有の物があるらしい。
けれどそれを使うと“刺客にバレる”と要は言う。
だから、こうして面倒だけど借りたり返しに行ったり。
飛行機も普通の旅客機使って…。
とは言っても、ファーストクラスだから私にしたら十分贅沢。
要が言う“ライバル”ってどんな人なんだろう。
その人達にバレないようにしないと……だしね。
だけど、お忍びっていいかも。
2人だけの時間はあっという間だけど、濃密だから。
ずっと一緒にいると、彼の優しさが良く分かる。
コレってやっぱり……子供の為?
……そうなのかな?
私にはやっぱり……魅力が無い?
契約なのは分かるけど、
出来る事なら……私を見て欲しいな。
私はフロントにバスケットを返した。



