社長と秘密の生活



「そんなにコレが旨いかぁ?」


要は私が美味しくてニヤニヤしてると思ってる。


「うん、初めて」


そうよ。こんな幸せな感覚…初めて。

本当にこの人が旦那様だってまだ実感が湧かないけど、

こうして一緒にいるって事はそうなんだよね?


「ん?……旨いな」

「え?……うん」


彼が優しく微笑むだけで、周りの女性客が騒ぎ出す。

要は肩肘をついて、妖艶な瞳で私を見てる。

そんなに……見つめないでよ。

彼の視線は獰猛な眼つきじゃないのに、

……何故か、外せない。

視線が絡め取られ、心まで捕らえられてる。

マジマジ見つめられると、緊張でコーヒーが飲めないじゃない。

一昨日婚姻届を突きつけられた時はどうなるかと思ったけど、

結構、順応してる自分がいる。

昨日まであんなに不安だったのに、

たった1日でこんなに幸せを感じていいのかな?

人って不思議ねぇ……?


ボーっと要を眺めていたら、