晴菜SIDE

もうなんでもいい気がしてきた。

悠矢はふふっと笑って、

「晴菜の血、もっと見たいな・・・」

そう微笑んだ。

もう怖くもなんともなかった。ただ悠矢が好きで、愛してる。悠矢も愛してくれてる。

それだけでいいんじゃないかって思った。

悠矢はどこからかカッターを取り出して、私の腕に当てた。

そして、〈シュッ〉っという音をたてながら腕を横切った。

「・・・っ・・・」

思ったよりも痛くなかった。

痛いとか怖いとか、そういう前に悠矢との楽しい記憶がフラッシュバックした。



名前を呼び合って、一緒に笑い合って、一緒に手を繋いで・・・。

楽しかった記憶だけが頭の中を過ぎった。