元々馬が合わなかった俺の父と祖父が俺が保育園の年長さんになる頃俺の家族は祖父と祖母と別々に住む事になった。
俺は今までいた保育園から違う保育園に変わる事になった。
実家の方はすごく方言がキツイ所だったせいか新しい保育園ではかなりいじめられた。
「なんねその喋り方。ちゃんと日本語しゃべれや。」
毎日泣いてたような気がする。
そんな時毎日電話をかけて来て俺を慰めてくれたのは祖母だった。
「おばあちゃん、僕こっちの保育園でいじめられるん。喋り方が変なんやって・・・でもおばあちゃんも同じ喋り方なのにどうしていじめられるん??」
「やすちゃん、ごめんね・・・やすちゃんは何も悪くないのにね・・・今はやすちゃん我慢の時なんだよ。そのうちやすちゃんと遊んでくれるお友達がたくさんできるから、だってやすちゃんはとってもいい子なんだから、辛くなったりさびしくなったらいつでもおばあちゃんに電話しておいで。」
あの頃は毎日電話してたよな。
でもいっつも俺より先にばあちゃんが電話してくれた。
あの頃の俺の友達は祖母だけだった気がする・・・
いじめも無くなり俺は小学校に上がった。
勉強は全然だめだったが運動は好きで、運動会の前日になると興奮して寝れないほど。
そして毎年運動会になると祖母が大量の稲荷寿司をにぎってくれた。
俺は祖母の作る稲荷寿司が大好きでいつもお腹が痛くなるまで食べてた。
「そんないっぺんに食べたらいかん!!」
って良く怒られた。
俺の中であの稲荷寿司より美味しい食べ物を食べた事が無い・・・