「大丈夫……」 一応、返事を返す。 本当は大丈夫じゃない。 徐々に息苦しくなっていく。 オレは立ち上がり、自転車を戻すために一歩下がった。 「……?」 急に息苦しさが収まった。 意味が分からず、首をかしげる。 「廉……?」 怪訝そうな顔で見てくる正紀。 無理もない。 オレは首を横に振った。