悠弥に知られたくなかった
のも本当だけど、


あたしは自分の無力さを
思い知るのが怖かっただけ
かもしれない




結局、
あたしは逃げてばかりなんだ




涙が出そうになった時、


悠弥があたしの左手をそっと
握りしめた




「……悠弥??」




そして、
そのまま何も言わずに


薬指にそっとキスを落とした




「なっ!!////」


『今の俺にはまだ指輪は
無理だけど

乃愛のこの薬指はたった今、
俺が予約したから


アイツの指輪なんか気にすんな』




えっ??


それって、もしかして……