永遠の愛

「だから彼女くらい居るでしょ?」


何気なく聞いた言葉に一条くんは一瞬だけ、寂しそうな目をして視線を落とした。

…どうか、した?


「女はいねぇし。けど…好きな奴はいるかな」


そう打って変わって、一条くんはまた笑う。


「へー…もしかして天野さん?」

「はっ?なんで里桜香が出てくんだよ」

「いや、だって仲いいじゃん」

「仲いいから好きだとは限らないし、里桜香は男いる。まぁ、年が近いから話すだけ。ほら、美咲ちゃんもね」

「けど、もっと居るじゃん。現役高校生わんさかいるのに天野さんだけ?」

「…里桜香は…里桜香は特別。…俺と似た者同士だから」


そう言った一条くんは悲しそうに笑った。


…似た者同士。


その意味が分からなくもない。


なんか似てるの。

なんか複雑な関係が昔の私と似てるの。


だからまだ会って数日しか経ってないのに、こんなに…こんなにも気になってしまうんだろうね。


「…なんか、ごめん」

「は?だから何で謝んだよ」

「んー…分かんない」

「あ、美咲ちゃんの彼氏ってそれこそイケメンだろ?」

「うーん…そうかな」


不意に聞かれた言葉に思わず口を滑らしてしまった。

…しまった。って思うのも束の間。


「やっぱ、いんじゃん」


一条くんは声に出してまた笑った。