「私も…行ってい?」
「え?」
「私も一緒にお母さんに会いに行ってもい?」
「いいよ」
薄らと笑った翔の顔が少しだけ切なく見えたのは気の所為だったんだろうか。
朝食をとり、暫くの時間だんまりとした私達はお墓に向かうため、マンションを出た。
時刻は10時20分。
「遠いの?」
花屋を出てから数分。
私は隣で運転をする翔に目を向ける。
「ううん。あと5分くらい」
「そっか」
「つーかさ、2日後って新学期?」
突然話を変えてきた翔にコクンと頷く。
「…そうだね」
「緊張してる?」
「緊張って言うか、どうやって接したらいいか分かんない」
「ま、普通でいいんじゃね?でも、なんかすげぇな、美咲がセンコウって」
「センコウって言わないでよ、その響いや」
頬を膨らませる私に、翔は声に出して笑う。
「あ、もうすぐ」
暫く経って見えて来たのが少し丘になった坂。
その坂をゆっくりと上がって行くその先に、広い墓の敷地が見えた。



