密着する身体が一体いつぶりなんだろうと思ってしまった。
人の体温が温かいって事を忘れかけていた私は、その温もりにじんわりと目尻が熱くなってた。
「…美咲」
小さく呟かれる声に視線を向けると、翔は私の視線を捕らえてて、その顔が徐々に少しづつ降りてくる。
もう少しで、もう少しで触れちゃう――…
「私と翔の関係って、何?」
…――唇が触れる瞬間、私はギリギリで止めた。
「それも美咲が決める事だろ。まだ、美咲の気持ち聞いてねぇし」
また少しづつ離れて行く顔の距離。
上からジッと見降ろされる翔のあまりにも綺麗なその顔に一瞬、ドキっと心臓が揺れる。
何年経っても変わってないこの端正な顔。
強いて言えば、少し大人っぽくなった綺麗な顔。
そりゃ沢山の女の子が翔の事を好きになるのは当然だよね。
私には…
私には勿体ないくらいの存在。
そんな事、出会った当時からずっと思ってたけど、周りにいっぱい女が居た翔にとっては私じゃつまんないでしょ?
なのに、何で私?
翔ならもっといい女いっぱい居るのにって、そう思うのに何で私な訳?
私に翔は勿体ないよ。
だけど、そう思ってるのに、私には翔が必要なんだ。



