「あー…それか」
薄らと鼻で笑った翔は、「もういい」そう言って、言葉を繋ぐ。
「もういい?」
「あぁ、別にいい」
「…そっか。ねぇ、翔?」
「ん?」
「一つだけ聞いてい?」
「あぁ」
「…癌じゃないよね?」
そう呟いた瞬間、ドキンと心臓が波打った。
薬を飲んでるとは言えども、期間が長すぎる。
だから、余計に症状が気になってしまった。
なのに。なのに。
「癌って、」
こうも心配してんのに、背後からは微かに笑った翔の声。
「だって気になるでしょ?」
「へー…まだ気にしてくれんだ」
「まだって、何?」
「だからまだ俺の事気にしてくれんだなって、思って」
「そりゃ、まぁ…」
「何だ、その微妙な呟き。…つか、癌じゃねぇから」
「そっか。…なら安心した」
「じゃあ、次は俺。美咲が行かなかった理由、俺の所為って何?」
その質問に何故か思考が止まる。
好きだから。なんて言えば、自分勝手なような気がして、だからと言って分んない。とも言えなかった。
全てが何だか、曖昧で自分勝手で、何もかも嫌になってた。



