心配で仕方がないのは翔が好きだって言う証拠。
何も思って無かったら、こんなにも心配なんてしない。
ただ、なんでこんな風になっちゃったんだろうと思う事ばかり。
でも唯一分るのは、私からそうしたって事。
暫くして不意に揺れたベッド。
それは翔が寝転んだって事が分かって、思わず私はギュっと目をとじてしまった。
静かな沈黙が流れて行く。
このまま寝てるフリをして朝を迎えようって、思ってたのに。
「…翔?」
無意識に口を開き、閉じていた目をゆっくりと開けた。
「あれ?起きてた?」
「うん」
「どした?」
壁に身体を向けている所為で、翔の表情は分んないけど、翔の身体がこっちに向いているって事は何となく分かる。
ふーっと、息を軽く吐き捨てた私はグッと息を飲み込んだ。
「鍵…家にあるの。マンションの」
「うん」
「ここに来て決めてって言ったでしょ?それって何?」
とくにそれらしき物はなかった。
でも、確かに翔は言ってた。
ここに来て、それを見て決めていいからって、そう言った。
でも、それが何なのか分んなくて、気づけばそう翔に口を開いてた。



