永遠の愛

「何で…来たのよ」


涙を抑えて呟く声はかすんでるような震えている様な小さな声。

自分でも聞き取りにくいって思ったのに、


「会いたくなったから」


ちゃんと翔は言葉を返してくれた。


「美咲に…会いたくなった」


少し間を置いて続けられた言葉と同時にスッと私の頭を撫でる翔の手が滑る。

そのまま膝を抱えるようにしていた私の手をギュっと握ると、いっきに翔の温もりを感じた。


「冷て…風邪引くぞ。こんな所まで来てどうやって帰るつもりだったんだよ」

「…始発…」

「つか始発までまだまだ時間あんだけど」

「…うん」

「うん、じゃねぇし。マジ寒いっつーの。帰ろ?…美咲」

「……」


握られていた手をグッと引く翔。

その所為で必然的に身体が少し傾く。


抱きかかえながら立たされると同時に、俯く私の頬に涙が伝った。

伝った涙も少し震える身体も寒さの所為なんかじゃなかった。


その意味はきっと、翔の優しさ。