永遠の愛

「葵ちゃんがさ、何気に美咲に電話したら繋がったってさ。だから行ってないんじゃないのって、」

「……」

「とりあえず家行ったけど居なくて、そんで空港行って調べてもらったら行ってないって言われて、とにかく凄い探した」

「……」

「電話でねぇから美咲の行きそうな所、全部全部さがして最終的に辿り着いたのがここ」

「……」

「まさか居るとは思わなかったけど、居て良かった」

「……」


そう言って吐き出された翔のため息が安堵のため息に聞こえた。


「…美咲?」

「……」

「どした?」

「…わた…し、」


暫くの沈黙を破って出て来た私の小さな声。

それを波の音から拾ってくれたように、「うん?」と翔は小さく返してくれた。


「…私、行けなかった」

「うん」

「分んないけど、行けなかったの」

「うん」

「多分、きっと…翔の所為」

「は?また俺かよ」


苦笑い気味に吐き出された言葉。

そして次第に訳も分からなく溢れだしてくる涙。


顔を見ると、声を聞くと、翔に対するどうしようもない感情が湧きあがってた。