「違う。違うよ。私は本当に行くつもりだった。だけど――…」
「美咲ちゃん。大丈夫だよ?代わりの人見つけてあるから」
「え?」
「だから言ったじゃん。美咲ちゃんは来ないだろうって思ってたって」
「……」
「この前の電話で分った。美咲ちゃん、悩んでるなってずっと思ってた」
「……」
「私の所為でこんなに悩まして本当に悪いと思ってる。ごめん、美咲ちゃん…」
「あ、いや…」
「だから誰か探そうって思って急いで探した。だからいいよ、美咲ちゃん…」
「……」
「そりゃさ、美咲ちゃんとまた一緒に過ごしたいって思ってた。でも美咲ちゃんは日本に大切な人達が沢山いるわけだし。美咲ちゃんに会えないのは物凄く寂しいけどさ仕方ないよ。美咲ちゃんの彼には勝てないしさ、」
「…あ、」
その後の事が言えなかった。
口が継ぐんで何も言えなかった。
彼と戻ったからとかじゃないって、そう言えなかった。
でも、このまま日本を離れる事が何だかダメなような気がした…



