布団に潜り込んでても考えるのは翔の事ばかりだった。
言わないでって、葵に言ったのに言っちゃうし、一条くんだって翔に会った事すら教えてくれなかった。
もう絶対に会わずに行こうって、そう決めていたのに。
何も言わないで勝手に消え去ろうと思ってたのに。
勝手だとは分っていても、翔とはもう終わったし関係ないって、そう心ん中で決めてたのに。
頭の中がごちゃごちゃしすぎて正直どうしたらいいのか分かんない。
…このまま翔に縋りついてもいいんだろうか。
それすら分んない。
正直、一人になった毎日は寂しかった。
ママも居なくなって帰って来たら明かりのない部屋に居るのは途轍もなく寂しかった。
なのに翔と離れると本当に一人になったんだって、思った。
でも日が経つうちにそれが当たり前の日々に変わってて、これからもずっと一人なんだって思った。
一人で生きようって、そう思った。
美咲より強くねぇから。って、翔は言ったけど、
私は、強くなんて…
ないよ。
強いのはずっと翔のほう。



