「悪い。あの時はあぁ言うしかなかった。自分の中でもいっぱいいっぱいで、なのにあんな姿、美咲には見せたくなかったし心配すらされたくなかった」
「……」
「美咲に別れたいって、そう言われてムシャクシャして酒に溺れたってのは事実。その挙句、肝臓やられて…」
「……」
「馬鹿だろ、俺?」
“情けねぇよな”
付け加えられた言葉とともに情けない笑みを漏らす翔。
「だけど、そんな俺の所為で別れを選択する意味が分んねぇの。その所為で美咲がこう言った選択をとったのなら尚更、俺は納得出来ねぇよ?」
「……」
「でも、そうじゃなく美咲が本心で決めた事なら、それはそれで本当の終わりだと思ってる」
「……」
「聞かせろよ、美咲の本心。ホントはどう思ってんのか聞きてぇの」
ズシンと私にとったら凄い重い言葉だった。
私の本心。
そんなの、分んないよ。
好きって気持はあったとしても、本当はどうしたいのかなんて分んない。
分んないの。



