永遠の愛


その帰りに宛てもなくブラブラと歩いてしまった。

特にあれが欲しいだとか、これが欲しいとか何もなかったけど帰る頃には日が沈み辺りは暗くなりかけていた。


そして丁度もうすぐ家だと言う手前。


鞄の中から鳴り響く振動音に意識が向かい、手を伸ばす。

そこから取り出したスマホの画面に思わず息が止まりそうな感覚になってしまった。


まだ鳴り響く音とともに映し出される“翔”の文字にどうしていいのか分からなかった。

出る事に躊躇っている瞬間、すぐ近くでバタンと何かの音に意識が向かい視線を向ける。

そして、向けた方向に人影を感じた私は何故か心臓がバクバクとし始める。


暗くなっている所為かはっきりとは分からなかったけど、その暗闇から見覚えのある車に息を飲む。

未だに手に持っているスマホは震え続け、


「…美咲」


その聞き慣れた声で、ピタッとが途切れた。


数メートル先にある家の前。

そこに停めてある車から降りて来たのは紛れもなく翔。


「ちょっと話あんだけど」


そう言った翔は私から視線を逸らす事なく深く息を吐き捨てた。