ほんの数カ月前の仕事とは真逆。
いくら慣らしで働いてたって言っても、こう毎日じゃ身体もついていけないだろう。
この真夏の暑さには相当な体力が必要だと思った。
なのに今までインスタントばかり食べていたんだって思うと、なんだか切なくなってしまう。
翔がお風呂に入ってる間、私は作った料理を皿に盛り付けテーブルに並べる。
栄養管理なんて分かんないけど、とりあえず少しでも身体にいいものを作ろうとそう思った。
暫くして上半身裸のままで濡れた髪を拭きながら入って来た翔は冷蔵庫からビールを取り出す。
プルタブを開け、ゴクゴクと口に含んだ翔はビールを片手にテーブルの前に座った。
「…美味そう」
「味は保証できないけど」
そう言って私は苦笑いをし、翔と真向かいになる様に腰を下ろす。
「いただきます」
薄ら笑って口角を上げた翔は箸を手に取り口に運ぶ。
「…ごめん。何作ったらいいのかわかんなくて全部、和食になっちゃった」
「俺、和食好き。美味いよ」
「ホント?」
「あぁ。つーかさ、これって美咲が作った?」
「うん」
「買ってきたやつより美味い」
「大げさすぎだよ」
翔の言葉に笑う私に、「いや、マジで」そう言った翔は次々に口に運んでいった。



