暫くの間、その場所で佇んでしまった。

どれくらいその場所に居たのかも分らないけど、その場所にずっといてしまった。


少しでも、少しでもママと居たいと言う気持。

その気持がここから離れられなくしてた。


でもだからと言って、あっちに行くことを避けられなかった。


「…ママの分まで頑張るから。今までありがと」


スッと立ち上がったと同時に頬を伝う涙。


それを手の甲で拭うと、


「行ってきます」


そう微笑んだ。