永遠の愛

「あ、おかえり…」


そう言った私に翔は疲れ切った顔から笑みを漏らす。


「ただいま。今日はあっちに帰ってんのかと思った」

「一旦帰ってまた来たの」

「そっか。…ってあれ?もしかして飯、作ってくれた?」


翔はリビングに入ると、テーブルに鍵とポケットから出したタバコとスマホを置きながらキッチンへと目を向ける。


「あー…うん。って、もしかして食べた?」

「いや、まだ。帰ってラーメン食おうと思ってた」

「ラーメンってカップラーメン?」

「そうそう」

「ラーメンばっか食べてたらダメじゃん」


ゴミを捨てる時に目に見えたカップラーメンの器とコンビニ弁当のパック。

あまりにもその光景を見た時に悲しくなってしまった。


「なんか帰ってきてまで作る気がしねぇわ。前までは普通に出来てた事なのに今じゃなんも出来ねぇんだよなぁ…」


翔はそう言って顔を顰め、深く息を吐き捨てた。


「大丈夫?…お風呂入ったら?」

「…そうする。ありがと」


クシャっと私の頭を撫でた翔は口角を上げ、風呂場に向かう。