「センセー、元気でね」

「ありがとう。天野さんもね」

「はい」

「ところで一条くんは?」


式が終わった後、一度も見てない一条くんをふと思い出し首を傾げる。


「奏斗はモテるから」


そう言った天野さんは苦笑いをする。


「あぁ、そっか。大変なんだね」

「何処がいいんだろうね、奏斗の」

「そう言うオーラがあるんだよ。ほら、一条くんは優しいし人の事分ってるよ?とくに天野さんの事は一番よく分ってると思うよ?」


ニコっと笑うあたしに天野さんは首を傾げながら頬を緩めた。


「まぁ、でも奏斗のお陰だと思ってる」

「うん。大切にしなきゃね」


全て、何もかも大切にしてね。

与えられた物を。

大切に受け取ったその大事な切符を無駄にしないように、頑張ってほしいの。


「はい。センセーの英語がちょっとは身についたかも」

「ほんとに?でも、ちょっとか」


苦笑いするあたしに天野さんも苦笑いをする。