「…あ、こんにちは」
スッと立ち上がる私に流星さんは口角を上げる。
「なんか珍しいな。葵ちゃんは?」
「葵は家です」
「そう」
流星さんはしゃがんで香恋ちゃんの視線に合わせるとクシャっと頭を撫でる。
「ジュース…」
「美味いか?」
「うん。さっきみぃちゃんと公園行った」
「おー、楽しかったか?」
「うん!えっとぉー、滑り台、ブランコした」
「じゃあ今度、俺も誘ってよ」
「うん。翔くんも来る?」
香恋ちゃんが口を開くその名前にまた思い出してしまう。
「お前、二言目には翔くんばっかだな」
「うん、好きだもん」
「俺の事は?」
「うーん…」
「うーん…とか言うな、コノヤロー」
「きゃーっ、」
流星さんが笑いながら香恋ちゃんをギュッと抱きしめる。
抱きしめられた香恋ちゃんはキャッキャッ笑って、叫んでた。
微笑む香恋ちゃんを見ながら内心、私はどうしていいのか分らなかった。
流星さんとは病院で会った以来。
だからなんとなくどうしたらいいのか分らなかった。
「あー…美咲ちゃん?」
少し間を置いてそう言ってきた流星さんは香恋ちゃんの身体をそっと手を離し、私を見上げる。
「はい」
「この前はごめん」
スッと立ち上がった流星さんは今度私を見下げる。
そう言われた事に何だか分からない私は首を傾げた。



