「って言うか…こっちのほうが驚いてるんだけど」


そう言って、駆け足で翔の後を着いて行く。


「…元気だった?」

「あ、うん。…翔は?」

「疲れた」

「え?」

「美咲待つのに疲れたっつてんの。連絡ぐらいしろよ」

「してたじゃん」

「あれでしてたって言えんのかよ。1年に数回。普通ありえねーだろ」

「でも…翔だって同じじゃん」

「美咲がしてこねーからだろ」

「だって…」


たかがメールでも返ってくると、会いたい想いが膨らむ。

電話でもメールでも絡んでしまうと帰りたいって気持ちが膨らんで、結局は何も連絡をしないまま過ぎ去ってしまった5年間。


過ぎてみればあっと言うまだった。


「って言うか…」


そう小さく呟いた翔は進めていた足をピタっと止めて振り返る。

その視線に気づいたあたしは少し首を傾げて目の前に居る翔に視線を送った。