微かに聞こえてくる音に目を擦った。
冴えない頭を軽く擦り、その聞こえてくる音が次第にはっきりとしだす。
目を開けると窓から差し込む光がカーテンの隙間からチラチラと見える。
私の身体に乗っかっている翔の腕が動いた拍子にストンと落ち、何気なく見た翔のスマホが目に入った。
枕元にある翔のスマホが震えながら音を奏でてる。
思わず身体を起して目を向けると、アラームが必死に音を出していた。
時刻は6時40分。
「…翔?ねぇ、翔起きて?」
激しく身体を揺する私に翔は寝返りを打つ。
まだ起きない翔の身体を激しく何度も揺すった。
「…うん?」
徐々に開いてく翔の瞳。
眠りについてからそんなに経ってはないから眠いのは確かだ。
でも…
「アラーム鳴ってるよ?」
何度も何度も音を奏でて鳴り響く音。
「…え?今何時?」
「6時40分」
「…マジか、」
そう言った翔は慌てて身体を起し、そのままスマホを掴みアラームを消した。



