時刻はもうとっくに2時を過ぎていた。
リビングに向かった私は冷蔵庫をそっと開ける。
中を覗くと相変わらずビールとペットボトルの水。
それにウインターゼリー…
全然変わってない中身。
…ちゃんと食べてんだろうか。
そう思いながらペットボトルの水を取り出しグラスに注いだ。
その水を口に含みながら見えた先にあるもの。
病院名が書かれた袋に手を伸ばし目を向ける。
…芹沢 翔。
名前が書かれたその袋の日付けは7月26日。
ほんと最近の日付け。
どうなってんだろ。今の症状…
大丈夫とは言ってたけど、翔の大丈夫は信用できない。
先にベッドに寝転んだ私の頭の中はその言葉しか浮かばなかった。
薬の量は減ったと言っていたけれど、まだ飲んでいるのは確かな事。
しかも最近も行ってる。
なんか分かんないけど変な予感がしてた。
暫く経ってキシッと弾むベッド。
壁に身体を向けていた私は翔の方向に向こうとした瞬間、背後から翔の腕が私の身体に絡まった。
「…美咲、寝た?」
低く小さく呟く翔に首を振る。
ギュっとさっきよりも強く翔の腕に力が入ると、私は少しだけ顔を翔に向けた。
「どうしたの?」
「別に…」
そう呟いた翔の腕を少し解き、私は身体を翔に向けた。



