それから1週間後だった。

本格的な寒さが増す日常。

今から夜になろうとするのに学校と言う屈辱を受けてしまう。

帰るのも真っ暗な夜だし、寒さには結構キツイ。


…私、定時の教師向いてない。

というか教師自体向いてないよなー…

って言うのもただの自分勝手のワガママなんだろうけど。


学校の最寄り駅で電車を降り、改札を出た途端によりいっそう寒さが増す。

スカートと二―ハイブーツとの肌の隙間が寒さでヒリヒリとする。


手を擦った私はマフラーに顔を沈めた時、


「…あれ?美咲…ちゃん?」


不意に聞こえた声に思わず視線がその方向に向いた。

そこには見覚えのある綺麗にスーツを着こなした…


「彩斗…さん?」


思わずビックリした私に彩斗さんは口角を上げた。


「何してんの?」


彩斗さんは辺りを見渡しながらそう問い掛けてくる。


「あ、学校に…」

「学校?え、学生?」

「いえ、一応センセーなんです。定時の」

「あー…そうなんだ。知らなかった。今から?」

「そうですね。彩斗さんは何でここに居るんですか?」


どう見ても居る必要がない場所に何故か彩斗さんは居る。

しかもスーツを着込んだまま。