だけど、気になった。
あの日、一条くんが喧嘩をしてた日以来、何も話してないからその後どうしたのとか。
別に私は関係ないけど、天野さんの事もあるし。
天野さんには敢えて聞かなかったけど、やっぱ内心では気になる。
「ね、ねぇ…」
笑みを作ってる一条くんに私は真剣な顔つきで言葉を出す。
そんな私の表情に気付いたのか一条くんはスっと笑みを消した。
「何?」
「この前の、喧嘩…」
「うん」
「どうなったの?天野さんの――…」
「あの人から聞いた?」
勢いよく私の言葉を遮った一条くんは何故か諒ちゃんの事を口にだした。
諒ちゃんとは言ってないけど、話しからして絶対にそう。
「聞いたって言うか…」
「何て?俺が聞けって言った答え」
「警察じゃなくて、自分の気持ちが晴れるか晴れないか?…ってな事言ってた」
「んじゃ、それ」
「へ?」
「だからそれ」
「それって気が晴れたって事?」
…要するに、またケリをつけました。って事だよね。
「まぁ、そう。つか、何であの人と仲いいの?」
「高校の時、同じクラスだったから」
「へー…それすげぇね。美咲ちゃんの周り有名だらけじゃん。…ま、なんつーか、心配させてゴメン」
「ホントだよ…」
「もう終わったから」
「…そっか」
一条くんがそう言うならそう言うしかなかった。
これ以上深く聞かない方がいいと思った。



