「うーん…あってるような、あってないようなって感じかな」
「なんか良くわかんないけど、美咲ちゃんそれを気に頑張ってたじゃん」
「そう、だね」
「でもまだ好きなんでしょ?そんな感じする」
「だけど、ホストだったから仕方ないって言うかね…」
「えぇっ!!ちょ、ちょっと美咲ちゃんの彼ってホストだったの?」
更に驚く菜緒を見て、私はスプーンにすくっていたオムライスを口に運んだ。
菜緒には翔がホストだと言ってなかった。
だけど、もう今ではどうでもいい。隠す必要すらないから。
「あー…でも前職だけどね」
「で、でも留学中はそうだったんでしょ?」
「だね。だからなんて言うのかな、女絡みってやつ」
「あー…なんか一番やっかいな話しだね」
「そうだね。だから面倒くさくなっちゃって…」
そう言った瞬間、オムライスを口にした菜緒が苦笑いを漏らした。
「って言うか、相変わらずだね、美咲ちゃん」
「何が?」
「その面倒くさいって言うのも変わってない」
「そう?」
「恋愛に面倒くさいって言っちゃダメだよ。むしろ恋愛は面倒くさいもんだから言っちゃだめだよ」
そう言った菜緒は恋愛に対してかなり豊富。
だから私より凄く大人びてしまっている。



