「ねぇ、美咲ちゃん。どうなの、教師は!」
料理を注文した後、菜緒は嬉しそうに聞いてきた。
「どうって言われても普通だよ」
「普通って?」
「色々あるからね」
「へぇー…」
「ところで菜緒は?オーストラリアは夏でしょ?」
「そうだよー、日本げき寒だよ」
「ホントに寒い。久しぶりにこの寒さを味わったよ。ねぇ、菜緒は日本に帰んないの?ずっとあっち?」
「うん、今のところ日本に帰ることは考えてないよ」
「そっか…」
菜緒は私は同じ高校卒業と同時に留学した一人。
同じ学校で、同じアパートに住んでた。
毎日一緒でお互い色んな話をして、日本で住んでた所も近かった所為か、自然と仲良くなれた。
「ねぇ、美咲ちゃん!彼はどうした?5年振りの再会にっ、」
微笑んでくる菜緒から視線を下げた時、
「お待たせしました」
と、言う店員の声とともに二人の前に置かれたオムライス。
そのオムライスから出てくる湯気を見ながらフーッと息を吐き捨てた。
「…別れた」
「えぇっ!!」
あり得ないくらいの声を出す菜緒に思わず表情が崩れる。
「ど、どうして?」
続けられる言葉に私はスプーンを持ち、オムライスをすくう。
「どうしてって、言われても…」
「も、もしかして…それってありがちな話しで、5年の間に女が居たとか?」
目を見開く菜緒はここぞとばかりに驚いている。



