永遠の愛

30分掛けて電車に揺られた場所はあまり来ない駅。

と、言うか美術館がある駅だった。


ここに来るのもどれくらい経つんだろう。

昔は週1くらいで来ていた場所だったのに。


駅を出て見渡す限り菜緒の姿はどこにもなくて、傍にあったベンチに腰を下ろそうとした瞬間だった。


「久し振りっ!」

「ちょっ、」


勢いよく抱きつかれた所為で身体が崩れる。

振り向く先には蔓延の笑みで見つめる菜緒の姿が目に飛び込んだ。


長い茶色の髪をてっぺんで束ねた菜緒は真っ黒のマフラーをグルグルと首に巻き付けていた。


…相変わらず可愛い顔してるな。

そう思った瞬間、私の顔から笑みが零れた。


「美咲ちゃん、変わってなーい!相変わらず美人オーラ出し過ぎだよ」


菜緒は微笑んで私の顔を見つめる。


「もう、やめてよ…。変わってないって、当たり前でしょ?まだ5カ月くらいしか経ってないじゃん」

「あー…、その口調も変わってない」

「そう言う菜緒こそ、テンション高いの変わってないね」

「そう?とりあえず寒いから店に入ろうよ」

「そうだね」


駅から暫く歩いた所にあるファミレス。

窓際に案内された私達はコートを脱ぎ真向かいに座った。