新しい年が始まった日々は一人ぼっちだった。
葵は家族団らんでもしてるに違いないからとくに連絡なんて何もしてなかった。
学校も休みだし、だからと言って何もしない日々。
昔とは大違いのこのダラダラした生活に呆れてしまう。
気晴らしにどこか遠くへ出かけようとも思ったけど、気分はそうでもなかった。
スマホも翔名義から私に変え、面倒くさい事も何も考えなくて少しはスッキリした気分なのに、それがもぬけの殻のように感じる。
天野さんの事だって一条くんの事だって、今は何も考えたくない。
年が明けて3日の朝。
相変わらずの日々をおくってる最中、不意に鳴りだしたスマホに視線が向く。
テーブルに置いてあるスマホが鳴りだすのは何日振りだろうと思うくらい。
そのスマホに手を伸ばして画面を見つめた私は思わず首を傾げた。
080…から始まる知らない番号。
暫く躊躇ってる間も鳴り響くその音に私は躊躇いながらもスマホを耳にあてた。
「…はい」
「あー…、美咲ちゃん?」
電話口から聞こえて来たのは凄く弾けた明るい声。
「え、…誰?」
思わずそう言った私に、
「私だよ、私!菜緒だってば!」
勢いよく発しられた声にハッと意識が戻り菜緒の顔が頭に浮かんだ。



