永遠の愛

「だったら最後に抱かせろよ」

「…っ、」


一瞬で重なり合った唇が翔の暖かな体温で涙腺が潤みそうになった。

何度も重ね合わしていく内に、翔の舌が私の口内へと入りこんで舌を絡ませる。


…行かないでお願い。

誰かのものにならないで。


キスを交わしながら別れを言った事と裏腹に頭に駆け巡るその言葉。

矛盾だと思っていても、結局はどうする事も出来なかった。


…好きだよ。


心で思う事は簡単なのに、口に出す事は難しいよ。

そしてその瞬間、一瞬にして私の頬に涙が伝った。


キスを交わしながら服の中に入って来る翔の手。

私とは違って女慣れしている翔。


当たり前に嫉妬するよ?

そんな感情、今までなかったのに。


「…嫌なら嫌って言えよ」


スッと離れた唇から切ない翔の言葉が漏れる。

胸を触れようとしていた翔のその手がピタっと止まって、服からすり抜けて行く。


「そんなんじゃ――…」

「泣く程嫌なら嫌って言え」

「違っ――…」

「だったら何?顔も見たくねぇってか…」

「違うって!」

「じゃ、何で泣く必要があんの?悪いけど俺、昔の若い時みたいにガツガツいけねぇの」

「……」

「俺が望んでても美咲がそれに受け答え出来ねぇんだったら一緒に居る意味ねぇし」

「……」

「だからこれで終わり。…いい男、みつけろよ」


クシャっと撫でられた頭。

その頭から翔の手がスッと離れると、翔はベッドから降りて部屋を出て行った。