永遠の愛

「もう断ってる。ただ、しつこいだけ。辞めた人間がまた戻る必要ねぇよ」

「……」

「なのに美咲は俺から離れんのか?」

「……」

「幸せにするって言っただろ?」


肩からスッと離れた翔の顔が、また私の目の前に現われる。

ジッと上から見つめてくる翔の瞳があまりにも綺麗で、私の頭の中を好きで埋め尽くす。


翔と居ると幸せになれると思ってた。

翔と居るときっと幸せだって思える実感が湧いて来ると思ってた。



でも、それってならなきゃいけないの?



翔に負担を掛けて、縛りつけてまでして、それってならなきゃいけないの?

だったら、別に幸せになれなくてもいい。


…幸せって何?


翔をそんな風にまでしてなりたくなんてない。


お金とか地位とか名誉とかそんなのいらないから…

だから、離れさせて?


「…ごめん、翔」


好きだけど、ごめん。

私の所為で行く道を防いでる様な気がしてどうにもならないんだ。