また新たに始まった月曜の帰り。
家の前に停まっている見覚えのある車に思わず息を飲んだ。
「…おまえ、」
私を見た瞬間、車から降りてため息交じりにそう声を出すのは諒ちゃん。
面倒くさそうに、深くため息をつくその諒ちゃんに、
「…何?」
そう、素っ気なく返してしまった。
「わりぃけど、俺が何って言いてぇよ」
「は?」
「俺の返事は無視かよ、」
そう言った諒ちゃんに一瞬考えてしまった。
だけど、記憶を辿って思い出した事に、「あぁ…」と、小さく呟く。
…LINEか。
「あぁ…って、何?…お前。ここに来てもお前いねぇし」
「つか、なに?ストーカーのつもり?」
もう、とにかく面倒だった。
話の用件が分るからこそ、面倒ってやつ。
「お前にストーカーする暇はねぇっつーの。けど、その暇を見つけて来てんだろ」
「あぁ、そう」
「お前さ、」
そう言った諒ちゃんから視線を外した私は鞄の中から取り出した鍵をカギ穴に差し込む。
「…入れ、ば?」
振り返る事もなくそう言ってドアを開けたそのドアに諒ちゃんの手が加わる。
その諒ちゃんの手の力に任せて、私はドアから手を離し、ヒールを脱いでリビングの電気を点けた。



