目を覚ますと、既に朝を迎えてて身体を起すと同時に目に入ったのが一枚の紙切れだった。
“センセーありがとう”
そう書かいたのはもちろん天野さんで、いつ何時にこの家を出たのかもさっぱり分らなかった。
枕元には貸していた部屋着が綺麗に畳んであって、私は頭を擦りながら一息吐いた。
「…頭、いたっ、」
昨日の酒がまだ頭に残ってんのか、それとも考え過ぎか。
どっちか分んないけど、イマイチな気分には違いない。
その日は、午後から憂鬱のまま学校に向かい、ちゃんと天野さんが来てた事に心底からホッとした。
その次の日もその次も日も、ちゃんと天野さんが来て帰るのをずっと見ていた所為か、一つだけ忘れていた事があった。



