たいした会話などしてないけど、長居してたのに間違いないって感じで、一条くん達はカナリ飲んでたのに違いない。
それに比べて弱い私までもが飲んだ所為で、気分が悪くなってた。
…二日酔い、きそう。
「あっ、お金!」
店を出た瞬間、一番近くに居た彼にそう声を掛ける。
店を出ようと思った時には既に払ってあって、私は彼に近づいた。
「あー、いいっす。いいっす。ほら、結構そっちの料理もらったし」
「いや、でも…」
「マジでいいんで」
「けど、悪いから」
そう言って、鞄の中を覗き込む私に彼はクスクス笑った。
「マジでいいっすよ。奏斗もいらねぇって言うと思うし」
「…すみません。ご馳走さまです」
「いえいえ」
でも、やっぱなんとなく悪い様な気がした。
だけどそれ以上何か言えなくて、その彼の言葉に従ってしまって、財布を手にした手がスッと引っ込んだ。
と、同時に私は頭を擦る。
ちょっと馬鹿をしすぎてしまった。
寒い所為か、張り切って飲んだビールが気分を一気に悪くする。
…二日酔いに、なりそう。



