永遠の愛

時間が経つのなんてあっと言う間だった。

久し振りに帰った自分の家。

やっぱし落ち着くし、なんたって皆が迎えてくれる事に凄く嬉しかった。


賑わった後、葵達は帰って行った。

ママと片付けをした後は日付けが変わる頃まで5年分の色んな話をして“頑張ったね”って、そう抱きしめられる事に溜めこんでいた涙が頬を伝った。


次の日はママに渡された学校の資料を1日と言っていいほど目を通してた。

まだ見るだけじゃ全然分からなくて、想像する部分でも分からない事はいっぱいある。

なんか凄く未知の世界な気がして少し戸惑いもあった。


けど皆のお陰でここまでこれたんだって思うと、頑張らなくちゃいけないってそう思った。

何をする事もなく1日中家の中で居てしまった。


ベッドに寝転んでいる枕元から着信が聞こえ、思わずその音に視線がスマホに向かう。

数秒で切れた音。

掴んでLINEの内容を確認するとすぐ、私は急いで飛び起きた。


“19時には行けそう”


そう書かれた翔からのLINEだった。


「え、あと40分しかないじゃん」


慌てて私は洗面所に向かい、顔を洗う。

ダラダラしすぎたのかノーメイクでいた私は急いで部屋に掛け込んで肌にファンデーションを滑らせた。

メイクを終わらせ、急いで鞄を抱えて階段を駆け降りた。…と同時に玄関のドアが開き、


「あ、美咲出掛けるの?」


出くわしたママはそう言って靴を脱ぎながら私を見た。