「じゃあ、何?お前はどうなんだよ」
素っ気なく返された言葉。
「え?」
小さく呟く私に翔は少しだけ眉を寄せた。
「お前はどうなのって。美咲帰ってっか…って諒也から連絡がきて事情を知った時、俺はお前を探した」
「……」
「行くあてなんか分んねぇし、お前んちにも行った。電話しても出ねぇし、探しまくった」
「……」
「なのにやっと見つけたと思ったお前は男に抱かれてた。…と思えばソイツとどっかに行こうとするお前」
「……」
「その後の事なんて知りたくねぇけど、そんなんで女に会うなってよく言えんな。ましてや、ちゃんと解決しなきゃいけねぇと俺は思ってんのに」
もう、何も言う事なんて出来なかった。
だって何から始まった?って言えば、私からだし、何もかも私が原因で絡まってる話し。
だから恋愛って面倒くさい。
そう思うのはやっぱ昔も今も変わんない。
“好きだから…”
そう言った女の言葉がやけに頭に焼きつく。
“辞めたなんてもったいない”
そう言ってた天野さんの言葉をふと思い出した。
インターネットで見た色んな言葉が次々と並んだ雑誌の記事。
カッコいいだのとか、存在が好きだとか。翔を好む人は沢山いる。
そんな翔の存在を引きとめてたのはやっぱ私かも知れない。
それはそれで、私は皆からの夢を奪ったっての?
そうじゃなくても私は翔とはもともと釣り合わなかったのかも知れない。



