「…どーした?」
何回かのコールの後、聞こえてきたのは諒ちゃんの素っ気ない声。
その声を聞いただけで何故かイラっとしてしまう。
「今すぐ来てよ」
「は?」
「今すぐ来てって!!翔のマンションの最寄り駅に居る。諒ちゃんに会って話したい事がある」
「は?何?」
「いいから来て」
一方的に電話を切ったわ私は髪を無造作に掻き乱し息を吐き捨てる。
駅の入り口から少し離れた所にあるベンチに腰を下ろして、私は頭を抱えた。
翔が入院してた事を諒ちゃんが知らない訳がない。
…じゃあ、葵も?
葵も私に隠してた?
だとすると友情もなにもかもブッ壊されたような気分だ。
私を気遣って隠してたとかなんて、そんなのいらない。
隠さずに言ってほしかった…
大丈夫と言ってた翔。
全然大丈夫なんかじゃないじゃん…
ものすごく複雑な気分で、どうしようもない感情が私の中で生まれる。
こんなにも隠されてた事がムカついてムカついて、今の苛立ちの感情を抑えることは難しかった。



