仮眠をとってしまった私はまだ冴えない気分なまま学校へと向かった。
授業を進め、ちゃんと来ている天野さんに少し安堵のため息を漏らす。
でもそう思ってても、やっぱし内心では気になってた。
「…美咲センセ?」
授業が終わって教室を出てすぐ聞こえて来たのは天野さんの声。
振り向く先の天野さんはニコっと微笑んで傍まで来る。
「天野さん…」
「今日は…って言うか昨日からだけど有り難うございました」
「あぁ…うん、いいよ。あれからバイトして来たの?」
「そう」
「大丈夫?寝てないんじゃないの?」
「大丈夫。慣れてるから」
「そっか。…今日はどうするの?家にちゃんと帰るの?」
「もちろん帰りますよ」
そう言って天野さんは微笑む。
「なんかあったら言ってね」
「もう、大丈夫です。心配かけてすみません」
「ううん」
「…なんかいい事でもあった?」
不意に聞こえた違う声。
私達の真横に現われたのはニコっと微笑む一条くん。



